2026年11月2日時点の情報です。内容の正確さに努めていますが、変更や誤りがある場合があります。正しい最新の情報は、必ず公式サイトで確認してください。
進路 / A-Level
Sixth Form で BTEC を足すか迷っている A-Level の生徒とご家庭へ。国ごとの大学での扱いと、選択肢を狭めない取り方をまとめました。
BTEC はイギリスの試験団体 Pearson の資格です。イギリス国内の学校で学ぶのが BTEC Level 3 National、イギリス国外の 50 か国以上で学ぶのが BTEC International Level 3 です。International は Pearson が自分で中身を決めている資格で、イギリスの資格の評価機関(UK ENIC)が National と同じ水準だと確かめています。成績の段階も同じです。
BTEC Level 3 には 5 つの大きさがあります。大学が見るのは、その大きさが A-Level 何科目ぶんにあたるかです。たとえば Loughborough University の Sport Management(2027年9月入学)は、A-Level なら AAB で、BTEC との組み合わせでは「National Extended Certificate で D と A-Level 2科目で AB」「National Diploma で D*D と A-Level 1科目で B」を挙げています。いちばん大きい National Extended Diploma は「それだけでは受け付けない」とし、A-Level 1科目(B)と合わせて DDD で受け付けると書いています。成績は P(Pass)・M(Merit)・D(Distinction)・D*(Distinction*)の段階です。
Pearson の資料と、Loughborough University の課程のページによります。Loughborough が書いているのはイギリス国内向けの BTEC National の条件で、International の扱いは大学に確かめる必要があります。インター校の BTEC がどの大きさかは学校によって違うので、学校に確かめてください。
試験で決まる割合で並べると、A-Level → IB Diploma → BTEC の順に課題の比重が大きくなります。
| 資格 | 最終試験 | 課題(校内で書くもの) | 学ぶ範囲 |
|---|---|---|---|
| A-Level(Cambridge International) | 評価の中心。全部のペーパーをコースの終わりにまとめて受けるか、AS を先に受けて残りをあとで受ける | 科目のシラバスによる | 1科目ずつ選ぶ |
| IB Diploma | 多くの科目で評価の土台 | 多くの科目に先生が評価する課題がある(理科の実験・数学の探究・語学の口頭など) | 6科目+必修の3つ |
| BTEC International Level 3 | 評価の形は科目と大きさで違う(学校に確かめる) | 課題とプロジェクトの比重が大きい | 1つの分野を深く(Business・Sport など) |
評価のしかたは IB に近く見えますが、中身は違います。IB Diploma は学問の科目を幅広く学ぶコースで、BTEC は職業につながる分野を 1 つ深く学ぶコースです。IB の中で BTEC に近いのは IB Career-related Programme(CP)のほうです。CP は IB Diploma の科目に、CP の必修と、IB が認めた職業につながる勉強を組み合わせたコースで、Pearson は CP の中の BTEC について、イギリスの BTEC の点数を目安に使えると書いています。
Pearson は「BTEC International Level 3 を 1 つ以上考慮する」と伝えてきた大学の一覧を公表しています。2026年2月27日版を全部読んで、国ごとにまとめました。
| 国・地域 | 一覧に載っている大学(主なもの) | 一覧に載っていない主な大学 |
|---|---|---|
| イギリス | 一覧の大半(名前に University が付く所だけで 90 以上)。Pearson は、イギリスの大学は小さい BTEC と A-Level の組み合わせを見ることが多いと書いている | 上位校は学部ごとに条件が違う(大学のページで確かめる) |
| オーストラリア | The University of Western Australia・University of Technology Sydney・Bond・Curtin・RMIT・Western Sydney・Canberra・Australian Catholic・James Cook・Murdoch・Charles Sturt・Central Queensland・New England | Monash・Melbourne・Sydney・UNSW・Queensland・ANU |
| マレーシア | Sunway University・Sunway-Lancaster・Curtin Malaysia・Heriot-Watt Malaysia(Extended Diploma のとき) | Monash Malaysia・Nottingham Malaysia・Taylor's |
| シンガポール | Curtin Singapore | NUS・NTU・SMU |
| 香港 | 香港浸会大学(Extended Diploma のとき)・Hong Kong Shue Yan・THEi・香港教育大学(Extended Diploma のとき) | 香港大学・香港中文大学・香港科技大学 |
| カナダ | Toronto Metropolitan・Brock・University Canada West・Lethbridge | Toronto・UBC・McGill |
| アメリカ | Georgia State・Iowa・Temple・Denver・Miami(Ohio)・Virginia Commonwealth など約 20 校 | — |
| ヨーロッパ | IE University(スペイン)・オランダの応用科学大学(Rotterdam・Windesheim/Extended Diploma のとき)・スイスのホテル学校など | — |
| 中東 | NYU Abu Dhabi・NYU Shanghai(どちらも Extended Diploma だけ)・American University of Sharjah など | — |
| 日本 | なし | — |
Pearson の一覧(2026年2月27日版)によります。一覧は網羅ではなく、載っていない大学が BTEC を受け付けないとは限りません。逆に、載っていても入学を約束するものではありません。「Extended Diploma のとき」と書いた大学は、いちばん大きい Extended Diploma だけを考慮すると一覧に注記があります。
一覧に無い大学を考えているとき
| 取り方 | 大学の選択肢 | 注意すること |
|---|---|---|
| A-Level 3科目 | いちばん広い。イギリス・オーストラリア・マレーシア・アジア・日本のどこにも出せる | 数学を入れておくと、経済・経営・理系の学部まで残る |
| A-Level 3科目+BTEC | A-Level 3科目と同じくらい広い。イギリスと一覧の大学では BTEC がプラスになる | 4科目ぶんの負担。課題に追われて A-Level の成績が下がらないようにする |
| A-Level 2科目+BTEC | イギリスと、BTEC を考慮する大学に絞られる | BTEC を数えない大学から見ると「A-Level 2科目」になり、条件に届かないことが多い |
| BTEC だけ(大きいサイズ) | イギリスと一覧の大学(Extended Diploma を考慮する大学)が中心 | BTEC だけでは受け付けない課程もある(例:Loughborough の Sport Management) |
BTEC を数えない大学は、出願書類の中の A-Level だけを見ます。A-Level 3科目がそろっていれば、BTEC が余分に付いていても不利にはなりません。つまり、BTEC は「足す」なら道を閉じず、「置き換える」と道を閉じる資格です。
大学の入学資格としては、BTEC を取らないことで閉じる道はほとんどありません。BTEC を出願の条件にしている大学は、調べた範囲では見当たりませんでした。ただし、次の 3 つは BTEC を取らないと得られません。
| 向いている | 気をつけたい |
|---|---|
| ビジネスやスポーツの仕事に関心があり、その分野を高校で学びたい | 締切どおりに課題を出すのが苦手(提出の遅れがそのまま成績に響く) |
| 1回の試験で力を出しきれず、本番で崩れやすい | 英語で長い文章を書くのが苦手(課題の多くは英語のレポート) |
| イギリスの大学を本命にしている | オーストラリアやマレーシアの上位校、日本の大学を本命にしている(A-Level 3科目を優先する) |
課題中心のコースは楽な道ではなく、書く力と締切を守る習慣がある生徒ほど伸びる道です。英語で書くのが苦手な生徒は、IGCSE の時期から、答えだけでなく途中の式や理由を書く習慣をつけておくと、BTEC でも A-Level でも力になります。
評価のしかた(課題の比重が大きい)は、A-Level より IB に近いと言えます。ただし BTEC は課題の比重が IB Diploma よりさらに大きく、学ぶのは 1 つの分野です。IB の中で近いのは、職業につながる学びを組み込んだ IB Career-related Programme のほうです。
Pearson の一覧には、いちばん大きい Extended Diploma を考慮すると書いた大学があります。ただし、Loughborough の Sport Management のように「Extended Diploma だけでは受け付けず、A-Level 1科目と合わせる」課程もあります。大学の選択肢を残したいなら、A-Level と組み合わせるのが安全です。
Pearson によると、イギリスの資格の評価機関(UK ENIC)が、International は National と同じ水準だと確かめています。ただし Pearson の説明では、International そのものには UCAS の点数が付かず、イギリスの大学は National と見比べて判断します。出願する大学がどう扱うかは、大学に確かめてください。
Pearson の一覧に日本の大学は載っていません。日本の大学も考えているなら、A-Level 3科目を軸にして、BTEC は上乗せにとどめるのが安全です。出願資格は大学ごとに違うので、募集要項で確かめてください。
本命の国と大学で決まります。イギリスのビジネス・スポーツ系が本命なら、A-Level 2科目+BTEC も筋の通る組み方です。オーストラリアやマレーシアの上位校・日本の大学も残したいなら、A-Level 3科目を優先し、BTEC は余裕があれば足す形にします。
2026年11月2日時点の情報です。事実は各大学・試験団体・国の機関の公式ページで確かめました(確認した日は出典ごとに書いています)。入学の条件は毎年変わります。正しい情報は各大学の公式ページで確かめてください。
入試・進学の相談は南数塾へ
学年・いまの科目と成績・志望校を伺い、必要なスコア・科目・出願の準備を整理します。入塾をご検討の方の受講相談は無料、入塾以外の進路相談は有料で承っています。
A-Level の科目選びと、BTEC を足すかどうかの判断は、受験サポートで、志望の国と大学に合わせて一緒に組み立てます。