2026年10月25日時点の情報です。内容の正確さに努めていますが、変更や誤りがある場合があります。正しい最新の情報は、必ず公式サイトで確認してください。
Première(高 2 相当)全員が受ける・2027 年 6 月 21 日・電卓なし
フランスの現地校やリセ・フランセで Première(高 2 相当)に進むお子さまが全員受ける、数学の先行試験(épreuve anticipée de mathématiques)を日本語でまとめました。2 時間・20 点満点・係数 2 の形、第 1 部 automatismes(6 点)と第 2 部(2〜3 題・14 点)の中身、2027 年 6 月の回から第 1 部が QCM ではなく短答に変わったこと、電卓は試験全体で使えないこと、2027 年 6 月 21 日(月)の日程、履修で変わる 3 種類の問題、日本の生徒のつまずきと備え方まで、フランス国民教育省の公式資料で確かめています。
最終更新:2026 年 10 月 25 日
バカロレア(Baccalauréat)は、リセ(高校)の終わりに受けるフランスの国の修了・大学入学資格の試験です。多くの科目は最終学年 Terminale(高 3 相当)で受けますが、一部は 1 年早く Première(高 2 相当)の終わりに受けます。これを「先行試験(épreuves anticipées)」と呼びます。
この試験の点は、Terminale でどこまで数学を取るかに関わらず、全員のバカロレアの成績に係数 2 で入ります。バカロレア全体のしくみ(科目・係数・日程)はフランスのバカロレアとは、数学のとり方ごとの点の入り方はフランスのバカロレアの数学にまとめています。
試験は 2 つの部に分かれ、続けて(休みなしで)解きます。第 1 部の答案は第 1 部が終わると回収され、そのあと第 2 部に進みます。どちらの部も電卓は使えません。
| 部 | 配点 | 時間 | 電卓 |
|---|---|---|---|
| 第 1 部:automatismes(自動化・直接適用) | 6 点 | 20 分 | 電卓なし |
| 第 2 部:raisonnement(推論・問題解決) | 14 点 | 1 時間 40 分 | 電卓なし |
短答(questions à réponses courtes)。公式や定理の直接の適用、cycle 4(中学相当)までに身につける計算の速さを見ます。2027 年の回から QCM ではなくなりました。
独立した 2〜3 題。日常生活やほかの教科の題材も使われます。答えには原則として理由(根拠)を書きます。
20 点満点のうち 2 点は、フランス語を正しく書く力(正書法・文の組み立て・語彙・筋道の立て方)に当てられます。数学の答案でも、ことばの正しさが見られます。
同じ日に行われますが、問題は 3 種類あり、自分が Première で履修したプログラムに合った問題を解きます。
Première で数学を専門科目(spécialité)として選んでいる生徒が解く問題。いちばん範囲が広い版です。
数学を専門科目として選んでいない一般コースの生徒が解く問題。共通の科学教育(enseignement scientifique)の中の数学の範囲です。
技術バカロレア(voie technologique)の生徒が解く問題。集合と論理のことば・automatismes・解析・統計と確率など、全系列に共通の範囲です。
この試験は 2026 年 6 月に新設されました。2026 年 9 月 11 日の新しい告示(note de service MENE2622640N)が、2025 年 6 月の旧告示を廃止・置換し、2026-2027 年度(=2027 年 6 月に Première の生徒)から次のように定めています。
⚠️ 検索で出てくる日本語・フランス語の塾サイトには、まだ 2026 年の QCM の形や「第 2 部は電卓可」という中学卒業試験(ブルベ)の形が混ざった古い案内が多くあります。2027 年以降に受けるお子さまは、短答・電卓なしで備えてください。
日程は公式の試験日程(Bulletin officiel・session 2027 の筆記の予定表)で確かめています。会場ごとの正確な日時は、受ける年の在籍校の案内で確認してください。
範囲は日本の高校数学と重なる部分が多く、計算力そのものは日本で学んだお子さまのほうが強いことも少なくありません。つまずきは、数学そのものより「形式とことば」にあります。
南数塾では、フランスの現地校・リセの数学をフランス語で指導し、保護者には日本語で様子をお伝えします。先行試験については、automatismes の反復・フランス語の数学用語・第 2 部の記述の型を、本人のレベルに合わせてお手伝いし、ご家庭には日本語でご説明します。くわしくはフランスの個別指導(Brevet・バカロレア)をご覧ください。11 月 7 日にはフランスの通年クラスの無料説明会(オンライン)も開きます。
形式・配点・電卓・日程は、2026 年 10 月 25 日にフランス国民教育省の官報(Bulletin officiel)の本文で確かめました。会場ごとの正確な日時や履修の扱いは、受ける年の在籍校の案内も確認してください。
A. Première(高 2 相当)の生徒全員が受けます。一般コース(voie générale)も技術コース(voie technologique)も、数学を専門科目(spécialité)に取っているかどうかに関わらず受けます。Terminale で数学をやめる予定でも受けます。
A. 筆記は 2 時間、20 点満点、係数 2 です。内訳は、第 1 部 automatismes が 6 点(20 分)、第 2 部 raisonnement が 14 点(1 時間 40 分)です。このうち 2 点は、フランス語を正しく書く力(正書法・文の組み立て・語彙・筋道)に当てられます。第 1 部の答案は第 1 部が終わると回収され、そのあと第 2 部に進みます(休みは入りません)。
A. 使えません。新しい告示では「L’usage de la calculatrice n’est pas autorisé pour l’ensemble de l’épreuve」(電卓は試験全体で認められない)と定められており、第 1 部も第 2 部も電卓なしで解きます。検索で出てくる「第 2 部は電卓可」という説明は、中学卒業試験(ブルベ・DNB)の数学や古い案内のもので、バカロレアの先行試験には当てはまりません。
A. 2027 年 6 月の回からは QCM ではありません。2026 年 9 月 11 日の新しい告示(note de service MENE2622640N)で、第 1 部 automatismes は「questions à réponses courtes(短答)」で評価する形に変わりました。新設の初回だった 2026 年 6 月の回は第 1 部が QCM(選択式)でしたが、2027 年 6 月の回(=2026-2027 年度に Première の生徒)からは短答です。日本語・フランス語の塾サイトには、まだ 2026 年の QCM の形のままの案内が多いのでご注意ください。
A. 本土・レユニオン・マヨットでは、2027 年 6 月 21 日(月)の 8 時〜10 時(パリ時間)に行われます(公式の試験日程)。追試(session de remplacement)は 2027 年 9 月 10 日(金)の午前です。グアドループ・ギアナ・マルティニークなどは現地時間で、フランス国外の会場(centres étrangers)は日程が異なることがあります。受ける年の在籍校の案内を確認してください。
A. 3 種類あり、自分が履修したプログラムに対応した問題を解きます。(1) 一般コースの専門数学、(2) 一般コースで数学を専門に取らない生徒向けの、科学教育に統合された数学、(3) 技術コースの共通数学、の 3 つです。どれを解くかは出願時の履修で決まります。
A. 計算力そのものは強いお子さまが多いのですが、電卓なしで速く正確に解く automatismes、フランス語の数学用語(fonction affine=一次関数、antécédent=もとの値 など)、そして第 2 部で理由(根拠)をフランス語で書く記述に慣れが要ります。範囲は日本の高校数学と重なる部分が多いので、用語と答案の書き方に早めに慣れれば十分に得点できます。