2026年11月4日時点の情報です。内容の正確さに努めていますが、変更や誤りがある場合があります。正しい最新の情報は、必ず公式サイトで確認してください。
国際医学部|選ぶ前に
海外の医学部は、入学がゴールではありません。卒業したあと、どこかの国で研修医の席を得て、医師として登録されて、はじめて医師として働けます。そしてその席は、多くの国で国民・永住者が先です。入口だけを見て進路を決めると、卒業しても研修医になれる国がない、ということが起こります。医学部の戦略は、入り口ではなく出口から考えます。
| 段階 | 決めるもの | 日本国籍の人の壁 |
|---|---|---|
| ① 医学部に入る | 大学の入学の条件(A-Level・IB・適性試験・面接) | 日本の高校の卒業資格だけでは出せない大学が多い |
| ② 卒業する | 大学 | — |
| ③ 研修医になる | 国・州の研修医の割り振りと、働くための在留の資格 | 多くの国で国民・永住者が先。外国籍は後ろの群か、対象外 |
| ④ 医師として登録される | その国の医師の登録機関(法律) | 研修医を終えないと本登録にならない |
| ⑤(日本に戻るなら)日本の医師国家試験 | 厚生労働省の1人ずつの審査 | その国の医師免許がなければ予備試験の道 |
留学の案内が見ているのは、ふつう①だけ
日本語の留学の案内でよく見る言い方を、各国の法令と公式の資料で確かめました(案内した会社・サイトの名前は出しません)。
| よく見る言い方 | 公式の事実 | 判定 |
|---|---|---|
| マレーシアの医学部を出たら、ハウスマン(研修医)を経て医師登録できる | マレーシアの医師法(第12条1項(aaa))は、研修医になる前の仮登録の条件を国民・配偶者・永住者としている。国内の医学部で学んだ外国人の例外(第13条4A項)はあるが、公的機関から研修医として採用される必要があり、公に示された採用の道は国民と配偶者・永住者だけ。IMU も「Non-Malaysians are currently not eligible for housemanship positions in Malaysia」と書いている | 日本人には当てはまらない |
| オーストラリアの医学評議会(AMC)の認定があるので、追加の試験なしに豪州で医師になれる | AMC の試験は要らない。ただし医師として登録されるには豪州で研修医の1年を終えることが要り、その席はどの州も留学生に約束しない。Monash Malaysia 自身が「Students should not have an expectation of gaining an internship in Australia」と書いている | 一部正しい |
| マレーシア・オーストラリア・ニュージーランドで医師として働ける資格を持って卒業できる | 留学生はマレーシアで研修医になれない。NZ の研修医の割り振り(ACE)には、豪州の大学の海外キャンパスを出た永住権の無い人の区分が無い | 誤解を招く |
| 卒業生の「マレーシア医師国家試験」合格率100% | マレーシアの国内の課程の卒業生に、医師の国家試験は無い(外国の学位の人が受ける試験は別) | 確かめられない |
| マレーシアの医学部を出て、日本で医師になれる(追加の手続きは要る) | 厚生労働省の審査は1人ずつ。本試験に進むには、学位を出した大学の国の医師免許が要る。マレーシアの学位だけで、マレーシアで研修医になれないなら、予備試験の道(合格後に1年以上の実地修練)になる | 言い過ぎ |
オーストラリアで医師になりたい、というご相談がいちばん多いので、道を並べました。下ほど不確実です。
| 道 | 研修医の席の見込み(2026年の研修の結果) | 向いている人 |
|---|---|---|
| ① 豪州の医学部に留学生として直接入る | その州の大学を出た留学生の群:NSW は172人のうち130人が受け、40人は申し出を断った。Victoria は134人全員が配属。豪州で学ぶので卒業生のビザ(485)も使える | A-Level・IB で上位の成績と適性試験(ISAT・UCAT ANZ)。学費は留学生で年 7万〜13万豪ドル(例:Monash 2027年 107,240豪ドル・各大学の公式の学費表) |
| ② 英国かアイルランドの医学部を出て、その国で研修を終え、豪州へ移る | 英国・アイルランドは豪州の Competent Authority の国。その国で研修医を終えて本登録を受ければ、AMC の試験なしに豪州で登録に進める。英国の研修は英国で学んだ卒業生が国籍に関係なく優先される | A-Level で A* に近い成績。英国本土・アイルランド本校で学ぶこと(海外の分校は優先から外れる) |
| ③ 日本の医学部を出て、日本の医師免許を取ってから、豪州の試験(AMC)を受ける | Standard pathway:AMC の筆記(CAT MCQ)→ 臨床試験か職場での評価 → 12か月の指導つきの勤務で一般登録 | 時間はかかるが、学費をいちばん抑えられる。日本の入試の力がそのまま使える |
| ④ マレーシアの分校(Monash Malaysia)を出て、豪州の研修医に応募する | NSW・Victoria・SA・Tasmania・ACT では最後の群。NSW の海外キャンパスの群は42人のうち5人が受け19人は断った、Victoria の同じ群は110人のうち34人(どちらも米国の分校の卒業生を含む)。豪州で学んでいないので卒業生のビザ(485)は使えず、病院が出す就労ビザが要る | 豪州の研修医に入れなかったときの道まで受け入れられる人 |
④を選ぶ前に
道を選ぶ前に、次の問いに家庭で答えておくと、相談先の話の良し悪しが見分けられます。
南数塾の考え方
出願の書類やビザの手続きを手伝ってもらうのはよいと思います。ただ、どの医学部を選ぶかは、卒業後にどの国で研修医になれるかで決まります。そこは国の法律と毎年の割り振りの話なので、出口の国の公式の資料で確かめてください。
学位を出す大学の国(英国・アイルランド・オーストラリア)で研修医になれる見込みがある学校・道はあります。ただし、多くは割り振りの後ろの群で、学校と道によって見込みが大きく違います。学校ごとの判定は、マレーシアの医学部の1校ずつのページにまとめています。
医師になることが先なら、日本の医学部です。海外で医師として働きたいなら、その国の医学部に直接入る道(オーストラリアなど)か、英国・アイルランドで研修を終えてから移る道が、出口がはっきりしています。どの道も、A-Level などで上位の成績が要ります。
2026年11月4日時点の情報です。このページの内容は、2026年11月4日に下の公式の情報源と照らし合わせました。要件・学費・制度は変わることがあり、誤りがある場合もあります。出願の前に、必ず各大学・各国の公式サイトで正しい最新の情報を確かめてください。このページの情報だけをもとにした判断について、南数塾は責任を負いかねます。