南数塾 面談室から / 第6回
海外の医学部に進んでも、いつか日本に戻って医師として働けるようにしておきたい。高校生のお子さんを持つ保護者から、よくうかがうご希望です。その道はあります。ただし、入る前の国と大学の選び方で、通りやすさが大きく変わります。
南数塾の面談でお話ししている内容を、ご家庭が特定されないよう対話形式に再構成しています。大学や試験の条件は、末尾の出典で確かめてから載せています。条件は年度ごとに変わるため、出願の前には最新の募集要項をご確認ください。
保護者(海外在住・高校生のお子さん)
海外の医学部を出ても、日本の医師国家試験を受けられると聞きました。卒業すれば、そのまま受けられるものなのでしょうか。
南数塾
そのままでは受けられません。外国の医学校を出た人が日本の医師国家試験を受けるには、厚生労働大臣の認定が要ります。[1]
保護者
大学ごとに「この大学なら大丈夫」と決まっているわけではないんですか。
南数塾
決まっていません。厚生労働省は、申請があったあとに1人ずつ、その人の能力と受けた教育を審査するとしていて、学校の卒業生にまとめて受験資格を認めることはない、と書いています。[2]
保護者
留学の案内で「日本の国家試験も受けられる」と書いてあるのを見たことがあります。
南数塾
厚生労働省は、受験資格が得られると認められたかのように示して外国の医学校への入学を勧める団体があることに、注意を呼びかけています。そうした学校を出ても、認められない場合があるということです。[2]
保護者
申請した人のうち、どのくらいが認められているのですか。
南数塾
申請した人のうち何割が認められたかは、公表されていません。厚生労働省の資料にも、途中で基準に合わなければ申請の取り下げになるため実数は分からない、とあります。[4]
保護者(海外在住・高校生のお子さん)
認定が通ると、すぐに国家試験を受けられるのですか。
南数塾
認定には2種類あります。そのまま医師国家試験を受けられる本試験の認定と、先に予備試験を受ける予備試験の認定です。[1]
保護者
どちらになるかは、何で分かれるのでしょう。
南数塾
もう1つが日本語です。本試験の認定の書類の基準を満たした人には、日本語診療能力調査があり、患者さんへの聞き取りや身体の診察、診断書の作成などを日本語でできるかを見ます。[1]
保護者
日本語の調査で届かなかったら、どうなりますか。
南数塾
合計が100点満点に換算して60点以上で、どの調査委員の評価にも0点の項目がないことが条件です。書類は満たしていても調査で基準に届かなかった人は、予備試験の認定を受けることができる、とされています。[1]
保護者(海外在住・高校生のお子さん)
書類の審査では、ほかに何を見られるのですか。
保護者
時間数は、大学のパンフレットに書いてある数字を見ればよいのでしょうか。
南数塾
そこは私たちも厚生労働省に問い合わせました。大学が出した履修時間数の書類をもとに、現代西洋医学の専門科目かどうかを厚生労働省が判断する、という答えでした。何を数えるかは審査の中身なので答えられない、とのことです。
保護者
海外にある分校で学んだ場合、「その国の医師免許」はどちらの国の話になるのでしょう。
南数塾
同じ問い合わせで、基本は大学の所在国の免許があるかを確かめる、分校で学び本校の大学の名で学位が出るなら学位を出した大学の国でよい、という答えをもらっています。登録の制度で医師と認められる国の場合も、証明書などを出せば免許を持っていると判断される場合がある、とのことでした。
保護者
日本語の条件は、日本の学校に通っていない子にもかかりますか。
保護者(海外在住・高校生のお子さん)
それを踏まえると、入る前に何を見ておけばよいのでしょう。
南数塾
私たちは候補の大学ごとに、少なくとも4つを確かめます。①留学生がその国で研修を受け、医師免許や登録まで進めるか、②大学が科目と時間数の公式の書類を出せるか、③5年制か6年制か、時間数が基準に届くか、④WDOMS に載っているかです。
保護者
①は、入学の条件とは別の話なんですね。
南数塾
はい。国によっては、留学生が卒業後に研修医の席に入りにくいことがあります。その国で免許まで進めないと、本試験の認定の基準を満たせず、予備試験の道になる可能性が高くなります。[1]
南数塾
5年制の大学は、時間数の証明が特に大事です。厚生労働省にも確かめましたが、日本の高校を出て5年制・5,500時間以上の医学校を出た場合、通算17年で年数の基準を満たす、という答えでした。逆に、時間数の書類がそろわなければ判断の材料が足りなくなります。
保護者
申請の時期にも決まりはありますか。
南数塾
申請の前に、厚生労働省へ申込みシートを送る期限があります。令和8年度の認定では、3月〆切分・7月〆切分ともに2026年2月27日が送信の期限でした。期限は年度ごとに決まるので、卒業の年に必ずその年のページで確かめます。[3]
保護者(海外在住・高校生のお子さん)
海外の課程に通っていても、最初から日本の医学部に入る道はありますか。
保護者
英語で学ぶ別のコースがある、ということですか。
南数塾
別のコースではなく、医学部の授業の多くを英語で行う形です。入ってからは日本の医学部の学生として学び、日本の医師国家試験に進みます。[5]
南数塾
順天堂にも「国際バカロレア/ケンブリッジ・インターナショナル選抜」があり、A-Level で出せます。募集は2名で、英語の資格が要り、小論文は日本語で答え、面接も日本語です。[7]
保護者
日本の医学部も受けるなら、日本語も手放せませんね。
南数塾
そうなんです。海外の医学部から日本に戻る道でも、日本の医学部に入る道でも、最後は日本語の力が要ります。数学と理科の積み上げと並行して、日本語の読み書きを保つ計画を一緒に立てます。
自動では受けられません。厚生労働大臣の受験資格の認定が要り、申請のあとに1人ずつ審査されます。厚生労働省は、学校の卒業生にまとめて受験資格を認めることはないとしています。
本試験の認定を受けた人は、そのまま医師国家試験を受けられます。予備試験の認定では、予備試験(第1部・第2部)に受かり、1年以上の実地修練を経てから国家試験に進みます。大きな分かれ目は、卒業した大学の国で医師免許を取っているかと、日本語診療能力調査の結果です。
公表されていません。厚生労働省の資料にも、途中で基準に合わなければ申請の取り下げになるため実数は分からない、とあります。
基準では、日本の中学校と高校を出ていない人は日本語能力試験 N1 が要ります。加えて、日本語診療能力調査と医師国家試験はすべて日本語です。
国際医療福祉大学の帰国生および外国人学校卒業生特別選抜は、筆記をすべて英語で受けられます(出願資格の事前確認が必須)。順天堂の国際バカロレア/ケンブリッジ・インターナショナル選抜は A-Level で出せます(募集2名・小論文と面接は日本語)。最新の募集要項でご確認ください。
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いずれも 2026-10-28 に内容を確かめました。