南数塾 面談室から / 第8回
IGCSE の数学はよくできていたのに、A-Level に上がったとたん、宿題に何時間もかかるようになった。Sixth Form の最初の学期には、こうしたご相談が続きます。範囲が広いときほど、「全部を同じ力で」ではなく、固める順番を決めることが効いてきます。
南数塾の面談でお話ししている内容を、ご家庭が特定されないよう対話形式に再構成しています。大学や試験の条件は、末尾の出典で確かめてから載せています。条件は年度ごとに変わるため、出願の前には最新の募集要項をご確認ください。
保護者(海外在住・A-Level に上がったばかりのお子さん)
IGCSE の数学は成績も良かったんです。それが A-Level に上がってから、毎晩の宿題に時間がかかって、本人も自信をなくしかけています。
南数塾
珍しいことではありません。IGCSE で良い成績だったお子さんでも、A-Level の最初の数か月でつまずくことはよくあります。[2]
保護者
何がそんなに違うのでしょう。
保護者
学校では Additional Mathematics は取っていませんでした。
南数塾
それなら、微分・積分の入り口がまだ固まっていないことが、時間がかかる一番の理由かもしれません。0606 は微分・積分の入門や対数、二項定理など、Pure 1 の前半と重なる内容を先に扱う科目なので、取っていない場合はそこを最初に埋めます。[2]
保護者(海外在住・A-Level に上がったばかりのお子さん)
そもそも、A-Level の数学がどういう試験なのか、親がよく分かっていなくて。
南数塾
9709 には Paper が6つあり、A Level では4つを受けます。全員が受けるのが Pure 1・Pure 3・Probability & Statistics 1 で、そこに Mechanics(Paper 4)か Probability & Statistics 2(Paper 6)のどちらかを加えます。[5]
南数塾
Pure 1 と Pure 3 は、どちらも 1時間50分・75点で、A Level の成績のそれぞれ30%を占めます。Mechanics と2つの統計は、どれも 1時間15分・50点で、A Level の20%ずつです。[5]
保護者
Pure の2つで、6割になるんですね。
南数塾
はい。しかも Mechanics と統計1は、Pure 1 の内容を知っている前提で作られていて、Pure 3 も Pure 1 の上に積む形です。だから順番としては、Pure 1 を最初に固めるのが筋です。[5]
保護者
Mechanics と統計2は、本人が選べるのですか。
南数塾
2年に分けて受ける場合は、1年目に Pure 1 と Mechanics か統計1で AS を取り、2年目に Pure 3 ともう1つを足して A Level にする形が基本です。AS の結果を持ち越せるかには、決まりと期限があります。[5]
保護者(海外在住・A-Level に上がったばかりのお子さん)
単元がたくさんあって、どこから手を付ければいいのか分かりません。
南数塾
南数塾では、9709 の 2016〜2025年の10年分の過去問、2,823問を、1問ずつ単元に分けて数えています。感覚ではなく、どこがどれだけ出たかを数字で見て順番を決めます。[1]
南数塾
いちばん多いのは Pure 1 の数列・二項展開で164問です。次が Mechanics の運動学で144問、統計2の仮説検定で133問と続きます。[1]
保護者
Pure 1 の中では、ほかに何が多いのですか。
南数塾
数列・二項展開のあとは、微分103問、関数93問、積分90問、座標幾何87問、三角法84問です。弧度法の66問、二次関数の61問より、はっきり多いんです。[1]
南数塾
単元の中まで見ると、もっと絞れます。三角法の問題のうち約6割(60.7%)が三角方程式を解く問題で、微分では停留点と極値の判定(32.0%)と、接線・法線の方程式(31.1%)の2つで6割を超えます。[1]
保護者
そこまで分かると、宿題の中身も変わりそうですね。
南数塾
はい。宿題は、まず出る回数の多い型から入れます。データのページには、単元ごとに型の代表になる過去問も挙げているので、新しい単元はその問題から解いてもらい、できなかった型を次の週にもう一度入れます。[1]
南数塾
ただし、数えたのは大問ごとで、1つの大問が複数の単元にまたがることもあります。よく出ない単元を捨てるという意味ではなく、時間が限られているときの順番として使います。[1]
保護者(海外在住・A-Level に上がったばかりのお子さん)
本人は電卓で答えを出して、答えだけ書くことが多いんです。それで合っていれば、いいのではと思っていたのですが。
南数塾
A-Level では、そこが一番もったいないところです。シラバスには、必要な途中の式はすべて書くこと、電卓の答えだけで根拠のないものには点を出さない、とはっきり書かれています。[5]
保護者
答えが合っていても、点にならないこともあるんですか。
南数塾
あります。採点には M(method)、A(accuracy)、B の3種類の点があり、A の点は、それにつながる M の点が取れていないと出ません。式を書かずに答えだけだと、まとめて落とすことがあるんです。[7]
南数塾
逆に、M の点は計算の小さなミスでは消えません。公式を書くだけでは足りず、問題の数を入れて使ってみせることが必要ですが、そこまで書けていれば、最後の答えを間違えても点が残ります。[7]
保護者
電卓は、どんなものでも使えるのですか。
南数塾
全部の Paper で関数電卓を使う前提です。グラフが描ける電卓や、式の変形・微分積分ができる電卓は使えません。答えは、指示がなければ有効数字3桁で、途中で丸めずに最後に丸めないと A の点を落とします。[5]
保護者(海外在住・A-Level に上がったばかりのお子さん)
過去問は、年度ごとに通しで解かせればいいのでしょうか。
南数塾
最初から通しで解くのは、あまり効率がよくありません。単元を習ったらすぐ、その単元の過去問だけを集めて解く。単元がそろったら Paper ごとに通しで解く。最後に、時間を測って本番の形で仕上げる、という3段階で使います。[3]
南数塾
新しい年度の過去問は、最後の本番の形の練習のために取っておきます。先に使い切ってしまうと、仕上げのときに初めて見る問題が残らないからです。[3]
保護者
単元ごとに過去問を集めるのは、家では大変そうです。
南数塾
そこはこちらの仕事です。出題頻度を数えたときの分類があるので、単元ごと・型ごとに過去問を引き出して宿題にできます。解いたら公式のマークスキームと突き合わせて採点し、進み具合を記録していきます。[1]
保護者
学校から、Further Maths も取るか考えておくように言われています。
南数塾
Further Maths(9231)は、9709 の内容の大半を学んでいる前提で作られた科目です。Further Pure 1 なら 9709 の Pure 1 と Pure 3 の内容が前提で、AS どうしを1年目に並べて受けるような作りにはなっていません。[8]
南数塾
なので判断の順番は、まず 9709 が安定して取れているか。そのうえで、志望する大学や学科が Further Maths を求めているか、勧めているかを入学要件で確かめます。9709 がぐらついたまま広げると、両方が中途半端になりやすいんです。
保護者
まずは Pure 1 を固めて、それから考えればいいんですね。
Mechanics・統計1・Pure 3 がどれも Pure 1 の内容を前提にしているので、まず Pure 1 です。南数塾が 2016〜2025年の過去問 2,823問を数えたデータでは、Pure 1 では数列・二項展開(164問)、微分(103問)、関数(93問)、積分(90問)が多く出ています。
A-Level の数学は IGCSE Mathematics(0580)の Extended の内容を前提にしているので、受けること自体はできます。ただ微分・積分の入り口は 0580 ではほとんど扱わないため、A-Level の最初の学期のうちに、そこを先に埋めておくと安心です。
書いてください。9709 のシラバスでは、必要な途中の式はすべて書くこととされ、電卓の答えだけで根拠のないものには点が出ません。マークスキームでは、答えの点(A)はそれにつながる式の点(M)が取れていることが前提です。
学校が組み合わせを決めていることが多いので、まず学校に確かめます。どちらも 1時間15分・50点で、A Level の20%を占めます。統計2は統計1の内容を前提にしているため、Mechanics と統計2の組み合わせはできません。進む学部と、物理を取っているかも判断の材料になります。
Further Maths(9231)は 9709 の内容の大半を学んでいる前提の科目です。まず 9709 が安定して取れているかを見て、そのうえで志望する大学・学科の入学要件で求められているかを確かめてから決めることをおすすめします。
A-Level の数学の入試の相談は南数塾へ
学年・いまの科目と成績・志望校を伺い、必要なスコア・科目・出願の準備を整理します。入塾をご検討の方の受講相談は無料、入塾以外の進路相談は有料で承っています。
いずれも 2026-10-28 に内容を確かめました。