― ルート・科目の繋がり・段差の乗り越え方 ―
インター校(British 系)では、Year 10-11 の IGCSE を終えると、Year 12-13 の A-Level に進みます。ここは科目数が一気に絞られ、内容が一段深くなる、中等教育で最も大きな乗り換え地点です。このページでは、進学のタイムライン、IGCSE と A-Level の科目の繋がり、科目選択の考え方、そして最大の段差である「数学」の乗り越え方を、1ページに整理しました。
日本の学年に対応させると、IGCSE は「中3〜高1」、A-Level は「高2〜高3」にあたります(学年の対応の詳細は数学カリキュラム進度マップをご覧ください)。
IGCSE カリキュラム開始。8〜10科目を2年かけて学ぶ。数学は 0580(Mathematics)、上位クラスは 0606(Additional Mathematics)も並行。
5〜6月(または10〜11月)に IGCSE 本試験。8月(1月)に成績発表。この結果が Sixth Form(A-Level 課程)進学と科目選択の入口条件になる。
科目を 3〜4 つに絞って深く学ぶ。学校によっては年度末に AS 試験を受験。この年の成績が Predicted Grade(大学出願用の見込み成績)の土台になる。
5〜6月(または10〜11月)に A-Level 本試験。大学出願(UCAS・マレーシア私立大・日本の帰国生入試など)と並行する、最も忙しい1年。
Sixth Form 進学の条件:多くの学校では「IGCSE 5科目以上で C(4)以上、A-Level で選択する科目は B(6)以上」といった基準を設けています(学校により異なります)。特に数学・理科系を A-Level で取りたい場合、IGCSE の該当科目のグレードが実質的な入場券になります。
A-Level は IGCSE の「続き」ですが、単なる延長ではありません。同じ科目でも、問われる力が「計算・知識の再現」から「証明(show that)・データ応答・実験設計」へ切り替わります。
0580 だけでは A-Level との段差が最大。0606(微分積分入門・対数・二項定理を含む)を経ていると接続が滑らか。
モル計算・結合・有機の基礎は 0620 から直結。A-Level では計算の多段化と実験系 Paper(P3/P5)が加わる。
用語暗記中心の IGCSE から、データ応答・実験計画・記述量の多い A-Level へ。英語で「説明し切る」力が急に問われる。
公式当てはめから、モデル化と単位・不確かさの扱いへ。数学(力学・三角比・ベクトル)との併走が前提になる。
A-Level(フル)では 4 コンポーネントを受験します。全員が Pure 1・Pure 3・P&S 1 を受け、これに力学(Paper 4)か 統計2(Paper 6)のどちらかを加えます。物理を取っている・工学や医学に進む生徒は力学を選ぶことが多く、経済・データ系志望は統計2が有力です。
| Paper | 名称 | 区分 | 主な内容 |
|---|---|---|---|
| Paper 1 | Pure Mathematics 1 | 必修 | 二次関数・関数・座標幾何・三角法・数列・微分積分の入門 |
| Paper 3 | Pure Mathematics 3 | 必修 | 対数指数・部分分数・発展微積分・微分方程式・複素数・ベクトル・数値解法 |
| Paper 4 | Mechanics(力学) | 選択 | 運動学・力のつりあい・ニュートンの法則・仕事とエネルギー・運動量 |
| Paper 5 | Probability & Statistics 1 | 必修 | データの表現・順列組合せ・確率・離散確率変数・正規分布 |
| Paper 6 | Probability & Statistics 2 | 選択 | ポアソン分布・連続確率変数・標本抽出と推定・仮説検定 |
※ フル A-Level の組合せは「P1 + P3 +(P4 + P5)」または「P1 + P3 +(P5 + P6)」。医学部志望で数学・化学・生物を選ぶ場合の考え方はA-Level で医学部を目指すで詳しく解説しています。
IGCSE Mathematics(0580)で A や A* を取った生徒でも、A-Level 数学の最初の数ヶ月でつまずくことは珍しくありません。理由ははっきりしています。0580 には微分積分がほぼ含まれていないのに、A-Level では Pure 1 の序盤から微分が始まり、以降すべての単元の土台になるからです。
この段差を埋めるために設計されているのが Additional Mathematics(0606)です。微分積分の入門・対数・二項定理・三角の恒等式など、A-Level Pure 1 の前半をほぼ先取りします。逆に言えば、0606 を経ずに A-Level 数学へ進む場合は、Year 11 の後半〜入学前の夏に微分積分の入門を自力で埋めておくことが、最初の学期を守る一番の保険になります。
もう一つの質的な変化は、答えの出し方です。IGCSE は「正しい値を出す」試験ですが、A-Level は show that(〜であることを示せ)と部分点の試験です。途中式の書き方・有効数字・記号の使い方(マークスキームの流儀)そのものが得点力になります。過去問を「本番の様式のまま」練習することが、どの科目でも近道です。
0580 / 0606 の単元補強と、A-Level を見据えた微分積分の先取り。日本語で概念を固めてから英語の試験様式へ。
A-Level 初学期を守るためのブリッジ学習。Pure 1 の入口(二次関数・三角・微分入門)を日英併記テキストで先行。
数学 9709・化学 9701・生物 9700 の日英併記テキスト、実物過去問による重要過去問集・問題集、マークスキーム準拠の採点。
在籍校・学年・IGCSE の科目とグレード(見込み)をお知らせいただければ、A-Level の科目選択と、段差を埋める学習計画を具体的にご案内いたします。
数学カリキュラム進度マップを見る※ 本ページは Cambridge International 公式シラバス(IGCSE 0580 / 0606 / 0610 / 0620 / 0625、A-Level 9700 / 9701 / 9702 / 9709)をもとに作成しています。試験時期・Sixth Form の進学条件・AS 受験の有無は学校により異なります。最新情報は各校および Cambridge International の公式サイトでご確認ください。