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国際医学部|なぜ外国籍でも医師に
ドイツでは、2012年4月から、国籍を問わず医師の免許(Approbation)が取れるようになりました。それまでは、ドイツか EU などの国籍が条件でした。なぜ変えたのか。政府の法案の説明と、連邦議会の記録から読み解きます。
医師の免許の条件は、連邦医師法(Bundesärzteordnung)第3条にあります。いまの条件は、医師として不適格でないこと、健康であること、ドイツの大学で医学を学び国の試験に受かったこと(または同じ水準と認められる教育)、そして仕事に要るドイツ語です。国籍の条件はありません。
2011年の政府の法案は、連邦医師法 第3条第1項 第1文の 第1号(国籍の条件)を削るとしています。説明には「医師としての免許を出すために求めていた、ドイツの国籍、または EU・欧州経済領域・スイスの国籍という条件を、やめる」とあります。つまりそれまでは、ドイツの大学を出ても、日本国籍のままでは原則として免許が取れませんでした。
政府の法案「外国で取った職業の資格の確認と承認をよくするための法律」(連邦議会 印刷物 17/6260・2011年6月22日)の説明から。
| 学位を取った場所 | 確かめ方(法案の説明) |
|---|---|
| ドイツ | 国の試験(Staatsexamen) |
| EU・欧州経済領域・スイス | 大きな違いがあるかを確かめ、足りない分を補う(不足分の試験など) |
| EU の外(日本など) | 大きな違いがあるかを確かめ、足りなければ知識の試験(Kenntnisprüfung)=国の試験の中身にわたる試験。法案は「これは患者の保護のため」と書く |
連邦参議院(州の代表)は、国籍の条件が無くなると知識の試験などを受ける人が大きく増えると見込み、受け直せる回数を法律で決めるよう求めました(法案に付いた連邦参議院の意見)。国籍の扉は開けても、医師の力と言葉を確かめる関門は残した、というのがドイツの選び方です。
2011年7月1日の第1読会(本会議の記録 17/118)から。要約は南数塾の訳です。
| 議員(会派) | 要旨 |
|---|---|
| ハイナー・カンプ(FDP・与党) | 外国で医師になった人が、専門と関係のない仕事にしか就けないのはおかしい。これからは多くの職業で、国籍と出身ではなく、資格の質と中身で決まる。 |
| アルベルト・ルプレヒト(CDU/CSU・与党) | 弁護士の国籍の条件を消し、医師の免許を国籍から切り離す。どれも、歴史の中で育ってきた仕組みと伝統への深い介入で、関係する人との丁寧な話し合いが要る。 |
| メメト・キリチ(緑の党・野党) | 医師の場合、EU の外の学位の人は、足りない分を補う道ではなく、いつも全部の試験を受けることになる。足りない所だけを埋める形にすべきだ。 |
法律は2011年9月29日に連邦議会で可決され、2011年12月6日付の法律(連邦官報は12月12日)として、2012年4月1日から効いています。
要りません。2012年4月1日から、連邦医師法の免許の条件から国籍が外れました。ドイツの大学を出て国の試験に受かり、仕事に要るドイツ語があれば、国籍を問わず免許が取れます。
政府の法案は、人口の変化と熟練の働き手の不足を理由に、外国の資格を持つ人を国籍ではなく資格の中身で受け入れるためと説明しています。医師については、国籍の条件をやめることを、政府の方針の中核と書いています。
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