複利 / 年金 / SIR 感染症モデル / 微分方程式の全範囲
マレーシア IB 校(MKIS / GIS / ISKL / Sayfol / Cempaka 等)に通う AI HL Math の DP 1-2 生徒と保護者のための完全ガイド。AI HL Math は『現実世界の現象を数学的にモデル化する』思想で設計され、Financial Math(金融数学)と Modeling(特に Coupled Differential Equations と SIR 感染症モデル)が試験全体の 約 35-40% を占める最大トピックです。本記事では単利・複利・連続複利と 72 ルール、Annuity(年金)の FV / PV と Mortgage の Amortization、Real vs Nominal Interest(Fisher 方程式)、SIR 感染症モデルと基本再生産数 R₀、Predator-Prey(Lotka-Volterra)の Coupled Differential Equations、Markov 連鎖の信用評価への応用まで完全網羅し、Paper 1 / Paper 2 / Paper 3 別の出題傾向と 30 日演習プランを掲載します。
AI HL は『Financial Math + Modeling(SIR / Predator-Prey / Markov)』で試験全体の 35-40% を占めます。Grade 7 を狙う場合、複利・連続複利・Annuity・Mortgage の Financial 領域、SIR の連立 ODE と R₀、Predator-Prey の定常状態、Markov 連鎖の長期分布の 4 領域を 30 日で固める必要があります。
Paper 1 / Paper 2 では GDC(TI-Nspire CX II)の Finance Solver と Lists & Spreadsheet の操作スピードが決定的。Paper 3 では Modeling の長文問題(SIR / Predator-Prey / Markov)が中心で、モデルの仮定と限界への踏み込みが Grade 6 と 7 を分けます。本記事は 8 章 + 8 つの FAQ + 30 日演習プラン + Paper 別出題傾向で構成されています。
AI HL の Financial Math と Modeling は 『Compound Interest / Annuity / Real vs Nominal / SIR Models / Coupled DE / Markov 連鎖』の 6 大トピックで構成されます。HL では SL に含まれない範囲(Coupled Differential Equations、Predator-Prey、Markov 連鎖の長期分布、Real vs Nominal の Fisher 方程式の本格応用)が追加され、Modeling の比重が大きいのが特徴です。
A = P(1 + r/n)^(nt) と A = Pe^(rt) を即計算。GDC の Finance Solver で PV / FV / N / I% を素早く求める。72 ルールは Paper 1 の暗算用。
積立の将来価値、年金の現在価値、住宅ローンの月次返済額と Amortization Schedule。Lists & Spreadsheet で表作成が Paper 2 / Paper 3 で頻出。
インフレ調整後の実質金利。経済学部進学を狙う生徒には必須。日本のゼロ金利政策やマレーシアの定期預金金利の評価で応用。
dS/dt, dI/dt, dR/dt の 3 連立常微分方程式。基本再生産数 R₀ = β/γ で流行 / 収束を判定。集団免疫閾値 = 1 − 1/R₀ でワクチン政策を分析。
Lotka-Volterra 方程式 dx/dt = αx − βxy, dy/dt = δxy − γy の連立 ODE。定常状態 + 位相平面 + Euler 数値解。Paper 3 で頻出。
信用格付け遷移 / 顧客行動 / 在庫管理の金融応用。遷移行列の n 乗で n 期間後の確率、固有ベクトルで長期均衡。Basel II / III の信用リスク計算の基礎。
AI HL は『現実問題を数学でモデル化 + データで検証 + 結論を導く』思想で、経済学・金融・経営学・マーケティング・データサイエンス・Public Policy・国際関係論・社会学の進学に最適。AA との違いは『証明の抽象性より、応用と解釈』。
※ Financial Math + SIR + Predator-Prey + Markov 連鎖 + Coupled DE = HL のみの追加範囲(SL では扱わない、または極めて限定的)
AI HL Financial Math の出発点は 『単利・離散複利・連続複利』の 3 公式と 72 ルールの暗算技法です。Paper 1 では GDC を使えるため計算自体は瞬時ですが、『どの公式を選ぶか』の判断速度が点数に直結します。
元本のみに対して利息が付く方式。短期の貸借や Treasury Bill で使われる。複利との差は時間が長いほど開く。AI HL では複利との比較問題で頻出。
元本 + 既に発生した利息に対して利息が付く方式。n は年間の複利計算回数(年 1 回 = 1、半年 = 2、四半期 = 4、月 = 12、日 = 365)。n を大きくすると連続複利に近づく。
n → ∞ の極限。e(ネイピア数)が登場する。理論的な金融モデル(Black-Scholes 等)で標準。AI HL Paper 1 / Paper 2 で頻出、GDC で即計算可能。
複利公式 2P = P(1 + r)^t から導出される暗算式。本来は 69.3 が正確だが、72 は約数が多く実務で広く使われる。Paper 1 の short answer で頻出。
Discounted Cash Flow(DCF)の基礎。投資判断や保険年金の評価で必須。AI HL Paper 2 / Paper 3 で頻出、特に Annuity 計算と組み合わさる。
72 ルールの直感:複利公式 2P = P(1 + r)^t の両辺の log を取ると ln(2) = t · ln(1 + r)。r が小さいときの近似 ln(1+r) ≈ r を使うと t ≈ ln(2) / r ≈ 0.693 / r。0.693 を 100 倍して年利 % で割れば良いので、本来は 69.3 ルールが正確です。72 は約数が多く(2, 3, 4, 6, 8, 9, 12 で割り切れる)暗算しやすいため実務で広く使われます。
Annuity(年金)は 『定期的に同額を支払うまたは受け取る金融商品』の総称で、AI HL では FV(積立の将来価値)と PV(年金受取の現在価値)の 2 公式が中心。Mortgage(住宅ローン)の月次返済額と Amortization Schedule は Paper 2 / Paper 3 で頻出です。
定期的に同額を積み立てた場合の最終的な総額。退職金積立・教育資金・Provident Fund(EPF)の計算で使う。Pmt = 定期支払額、r = 期間あたり利率、n = 総支払回数。
定期的に同額を受け取る権利を一括換算した価値。保険年金・退職給付・ローン残債の評価で使用。AI HL Paper 2 / Paper 3 で頻出。
元利均等返済の月次支払額計算。P = 借入元本、r = 月利、n = 総返済回数。AI HL では Amortization Schedule(返済計画表)の作成も出題範囲。
返済が進むにつれ『利息分が減り、元本返済分が増える』構造。前半は利息中心、後半は元本中心。GDC の Lists & Spreadsheet で表を作成して可視化するのが Paper 3 で頻出。
前半は利息が大半、後半は元本返済が大半という構造。GDC の Lists & Spreadsheet で表を作成し、利息合計と元本返済の累積グラフを描くのが Paper 3 で頻出。マレーシアの住宅ローン金利 4-5% を題材に IA を書くのも高得点パターン。
EPF(Employee Provident Fund)への応用:マレーシアの EPF は毎月給与の約 23%(被用者 11% + 雇用者 12%)を積み立てる年金制度。Annuity の FV 公式で『45 年積立、年利約 5-6%(過去 10 年実績)』で計算すると、月給 5,000 RM の人で退職時に約 200 万 RM 程度。AI HL IA で『EPF と日本の厚生年金の比較』『EPF の運用利回り変動シミュレーション』を書くと、現実と数式を繋ぐ高得点 IA になります。
Nominal Interest Rate(名目金利)は『表示されている金利』、Real Interest Rate(実質金利)は『インフレ調整後の購買力ベースの金利』です。Fisher 方程式で両者を関連付けます。
厳密形:(1 + r_real) = (1 + r_nominal) / (1 + π)(π = インフレ率)
近似形:r_real ≈ r_nominal − π(インフレ率が小さいとき)
例:名目金利 5%、インフレ率 3% → 実質金利 = (1.05 / 1.03) − 1 ≈ 1.94%(厳密)、近似で 5 − 3 = 2%。誤差は 0.06 ポイントと小さい。
実質金利が負になる状況:日本のゼロ金利政策下では名目金利 0.001% に対しインフレ率 2% → 実質金利 ≈ −2%(預金していると購買力が減る)。マレーシアでも定期預金金利 3% に対しインフレ率 4%(食品中心の上昇)なら実質金利は負。AI HL Paper 2 で『実質金利が負の状況下での貯蓄判断』『中央銀行の金利政策と実質金利の関係』が出題され、経済学部進学者には Fisher 方程式の完全理解が必須です。
SIR モデルは 『集団を Susceptible(未感染)/ Infected(感染中)/ Recovered(回復済)の 3 状態に分け、状態間の遷移を連立常微分方程式で記述する』感染症数理の基礎モデルです。COVID-19 流行を契機に AI HL Paper 3 / IA で出題が急増しています。
まだ感染していないが、感染リスクのある集団。感染者 I と接触すると感染し、R(回復)に直接行かず必ず I を経由する。β は感染率(接触頻度 × 感染確率)。
現在感染中で他者に感染させる集団。β · S · I / N で増え、γ · I で回復(または隔離)して減る。dI/dt = 0 となる点が感染ピーク。
回復して免疫を獲得した(または死亡した)集団。再感染しない仮定。γ は回復率で、平均感染期間は 1/γ で計算。
1 人の感染者が完全感受性集団で何人に感染させるかの指標。R₀ > 1 で流行、R₀ < 1 で収束。集団免疫閾値 = 1 − 1/R₀ でワクチン接種率の目標値が計算可能。
公式:集団免疫閾値 = 1 − 1/R₀
意味:人口のこの割合以上が免疫を持てば(ワクチン接種 or 自然感染後の回復で)、R_effective < 1 となり感染が自然収束。
SIR を拡張する SEIR モデル:潜伏期間(Exposed but not yet infectious)を加えた 4 状態モデル。COVID-19 の潜伏期間 5-7 日を反映するなら SEIR の方が精度が高い。AI HL IA で『SIR vs SEIR の比較 → どちらがマレーシアの第 1 波データに適合するか』を書くと、モデル比較の評価軸(AIC / RMSE 等)まで含めて高得点が狙えます。
Coupled Differential Equations(連立常微分方程式)は 『複数の未知関数の導関数が互いに絡み合った方程式系』。AI HL では Predator-Prey(Lotka-Volterra)が代表例で、Euler 法による数値解と位相平面解析が出題範囲です。
x = 被食者、y = 捕食者。α は被食者の自然増加率、β は捕食率、γ は捕食者の自然減少率、δ は捕食による捕食者の増加効率。生態系の周期振動を記述。
両方の導関数が同時に 0 となる点。共存定常点周りで小振動すれば中心、発散すれば不安定。Jacobian 行列の固有値で安定性を判定(HL 拡張)。
解析的に解けない連立 ODE の数値解法。step size h を小さくすると精度向上、計算量増。AI HL Paper 3 で頻出、GDC の Lists & Spreadsheet で表を作成。
時系列の動きを 2 次元平面に投影して解の性質を可視化。閉軌道は周期解、螺旋は減衰振動、発散は不安定。Paper 3 / IA で『位相平面で解釈せよ』が頻出。
Euler 法は 『1 次の数値解法』で、局所誤差は O(h²)、累積誤差は O(h)。step size h を半分にすると累積誤差も約半分になる線形改善。
Predator-Prey の現実応用:①「カナダ Hudson Bay Company の歴史的データ(兎 vs 山猫の毛皮取引、1845-1935)」が古典的な実証例、②「マレーシアのパームオイル農園でのネズミと猛禽類の個体数変動」、③「マラッカ海峡の小魚(イワシ等)と大型魚(マグロ等)の漁獲量データ」など。IA で『現地で収集した 1-3 年のデータに Lotka-Volterra をフィット → パラメータ α, β, γ, δ を推定 → 予測と実データの比較 → モデルの限界』の構成で高得点。
Markov 連鎖は 『現在の状態のみが次の状態を決める(過去履歴は影響しない)』確率過程。信用評価・顧客行動・在庫管理など金融分野で広く応用されます。AI HL Paper 2 / Paper 3 で頻出。
Markov 連鎖の核。状態 i から状態 j への 1 ステップ遷移確率を行列で表現。各行の和は必ず 1(確率の総和)。S&P / Moody's の歴史的遷移確率データが公開。
n 期間後の遷移確率は遷移行列の n 乗で得られる。GDC(TI-Nspire CX II)の Matrix 機能で素早く計算可能。Paper 2 / Paper 3 で頻出。
n → ∞ で収束する確率分布。Absorbing State(吸収状態)がある場合は最終的に全確率が吸収状態に集中。固有値 1 に対応する固有ベクトルで計算。
Basel II / III の信用リスク計算の基礎。Probability of Default(PD)を Markov 連鎖で推定し、銀行の自己資本要件を算出。AI HL IA で金融機関データを使うと評価大。
S&P 公開データに基づく 1 年間の信用格付け遷移確率(AAA / AA / A / BBB / Default の 5 状態に簡略化):
Default 状態(最下行)は吸収状態(一度 Default すれば回復しない)。5 年後の遷移確率は P^5 を計算。GDC(TI-Nspire CX II)の Matrix 機能で素早く出せます。長期的には全格付けから確率的に Default に吸収されていきます。
Basel II / III への接続:銀行は貸出ポートフォリオの信用リスクを定量化するため、Markov 連鎖モデルで PD(Probability of Default)を推定し、期待損失 EL = PD × LGD(Loss Given Default)× EAD(Exposure at Default)を算出。これが自己資本比率の計算根拠になります。AI HL IA で『マレーシアの銀行(CIMB / Maybank)の信用ポートフォリオを Markov 連鎖で推定』を書くと、金融機関就職を意識した高得点 IA になります。
AI HL の 3 つの Paper はそれぞれ性格が異なり、Financial / Modeling の出題内容と戦略も変わります。
単利・複利・連続複利の即計算、72 ルール暗算、PV / FV の Finance Solver 計算、Mortgage 月次返済額、SIR の基本概念、Markov 遷移行列の 1-2 ステップ計算
Finance Solver の操作を 5 秒以内に完了できる訓練が必須。GDC のショートカット(matrix 入力 / e^x 計算 / log の使い方)を Year 12 で完全習熟。Section A(短答 9-10 問)の Financial Math は確実に取り切る。
Amortization Schedule(Lists & Spreadsheet)、Annuity の累積計算、Real vs Nominal の Fisher 方程式、SIR の Euler 数値解、Markov 連鎖の長期分布
1 問あたり 15-20 分の配分。長文問題の Part a-d を順に解き、Part c-d で『モデル解釈と結論』を必ず日本語/英語で 2-3 文で記述。点数の取りこぼし(Method Mark)を防ぐため、GDC の入力画面のスクリーンショットの代わりに『使った GDC 機能名 + 入力値』を答案に明記する。
SIR / SEIR の R₀ 推定 + 集団免疫閾値、Predator-Prey の定常状態 + 位相平面、Markov 連鎖の長期分布 + 信用格付け、Coupled DE の Euler 数値解 + 精度評価
60 分で 2 問は 1 問 30 分の配分。Part a, b は基礎で確実に取り、Part c, d で『モデルの仮定と限界』『パラメータ感度』『現実との比較』への踏み込んだ記述で勝負を分ける。AI HL Paper 3 は Modeling 系が中心で、Financial Math 単独問題は稀。
AI HL では Financial Math と Modeling が試験全体の 約 35-40% を占めます。Paper 1 で約 30-40 点(110 点中)、Paper 2 で約 35-45 点、Paper 3 で約 30-40 点(55 点中、1 問丸ごと Modeling のことが多い)。合計 95-125 点 = 275 点満点中 35-45%。Financial + Modeling で 75-80% 取れれば、それだけで Grade 6 が射程に入る計算。
30 日 過去問演習プラン:AI HL Financial Math + Modeling を 6 → 7 に上げる 30 日構成。Year 13 の試験 1-2 ヶ月前に実行するのが理想。
過去問の入手先:IBO 公式の Past Papers は学校経由で配布されるのが正規ルート。マレーシア IB 校(MKIS / GIS / ISKL / Sayfol 等)では Math Department が在校生に提供します。塾経由の入手や非公式の過去問サイトは Copyright 違反のリスクがあるため避ける。南数塾では学校から正規入手した過去問の解答解説 + 採点フィードバックを提供しています。
AI HL Financial Math + Modeling の頻出公式・技法を 30-60 秒で復習する Shorts コンテンツ。試験前の最終確認に。
南数塾は AI HL の Financial Math と Modeling に特化した個別カリキュラムを提供。マレーシア IB 校(MKIS / GIS / ISKL 等)の DP 1-2 生徒、特に経済 / 金融 / Business 系大学進学を狙う層の Grade 6 → 7 引き上げ実績があります。
※ 本記事は 2026 年 5 月時点の IB Diploma Programme 公式シラバス(First Exam 2021、AI HL)と公開情報を基に整理しています。Financial Math の公式表現や出題比率は IB Math AI Subject Guide に準拠していますが、最終的な確認は IB Official Formula Booklet と各校の Math Department に行ってください。Grade Boundary や難易度は May / November Session で変動するため、IB Official Statistical Bulletin で必ず確認してください。SIR モデルや Markov 遷移行列の実データは公的機関(WHO / S&P / マレーシア保健省 / EPF)の公開資料を参照してください。
お子様の現在の Financial Math と Modeling の習熟度(複利 / Annuity / SIR / Markov の到達度)を診断し、Year 12-13 の 2 年間で Grade 7 を狙う個別カリキュラムをご提案します。経済 / 金融 / Business 系大学進学を見据えた長期戦略も含めて、無料体験授業 + 三者面談(生徒・保護者・講師)にて。
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