マレーシア・アイルランド・中欧・日本(国際医療福祉大/順天堂)2026 年版
「A-Level で、Foundation を挟まずに医学部へ。しかも卒業後ちゃんと医師として働ける学校はどこか」——マレーシアの British 系インター校で Sixth Form を迎える日本人ご家庭向けに、A-Level で直接出願できる医学部を、海外(マレーシア・アイルランド・中欧)と日本の大学に分けて、A-Level 要件・認定(働けるか)・合格率・学費で学校別に整理しました。トップ校の AAA だけでなく、BBB〜ABB で現実的に狙える層に焦点を当てています。
最終更新:2026 年 6 月 25 日
医学部の A-Level 要件は大きく 2 層に分かれます。トップ校の AAA / A*AA と、Foundation を回避して直接入れる BBB〜ABB の現実層です。学校評価がまだ C でも、生物・化学を B まで引き上げれば、マレーシアの認定済み医学部(BBB)やアイルランド系(ABB)は十分に射程に入ります。
医学部を「必要科目・UCAT・面接(MMI)」の手順から知りたい方は 『A-Level から医学部へ|進学ルート・必要科目・大学別要件』 を、A-Level 数学そのものの対策は 『A-Level 数学 9709 / 9231 完全ガイド』 を併せてご覧ください。本記事は「どの大学に A-Level で出せるか」を学校別に比較する地図です。
① A-Level 要件:化学はほぼ全校で必須、生物も多くで必須。直接入学のラインは BBB〜ABB(現実層)か、AAA(トップ)か。
② 認定(卒業後に医師として働けるか)=最重要。マレーシア MMC・英 GMC・日本の医師国家試験受験資格・WHO 名簿掲載など、「どこで働きたいか」から逆算して確認します。
③ 英語(IELTS):マレーシア私立は 6.0 で出せる校が多い一方、RUMC は 6.5、NUMed は 7.0 が必須。英語の伸びが志望校の幅を決めます。
在馬のご家庭に最も現実的なのがここ。A-Level 直接入学(Foundation 不要)・BBB〜ABB・MMC 認定で、卒業後マレーシアで研修医(housemanship)→ 医師登録の正規ルートに乗れます。独自の学科筆記はなく、選考は A-Level 成績+面接(MMI 等)が中心です。
| 大学 | A-Level 要件 | 認定(働けるか) | 合格率/倍率 | 学費(目安) |
|---|---|---|---|---|
| AIMST University(私立) | BBB / ABC / AAC(生物・化学必須+物理/数学) | MQA+WHO 名簿 | 非公表(絶対評価・最安) | 5年 約 RM395k |
| USM(国立) | BBB / ABC / AAC | MMC(1986)+WHO+GMC | 少数枠・非公表 | 約 USD137.5k |
| IMU University(私立) | BBB(Bio/Chem+Phys/Math) | MMC+MQA+WHO 名簿 | 全体 参考 約66% | 5年 約 RM693k |
| UCSI / Melaka Manipal / MAHSA | BBB / ABC / AAC | MMC+MQA | 非公表 | 5年 RM370〜400k |
| RUMC(RCSI & UCD マレーシア校) | ABB(生物・化学+数学/物理) | アイルランド医師会+MMC+ECFMG | 非公表(門戸広め) | 総額 €155k |
| NUMed(Newcastle マレーシア校) | ABB+IELTS 7.0 | GMC+MMC(英国学位) | 非公表 ⚠英研修は後回し化 | 5年 約 RM660k |
※ MMC(Malaysian Medical Council)の最低基準は生物 B・化学 B が必須で、物理/数学のどちらか一方のみ C 可。AIMST は学費が最安水準、RUMC はアイルランド学位、NUMed は英国学位という違いがあります。NUMed は 2026 年の英国の研修制度改正で NHS 研修が後回し(予約リスト)化した点に注意(マレーシア国内の経路は健在)。
アイルランドの RCSI は非EU 枠で A-Level 直接入学。非EU 出願者は HPAT(適性試験)が不要で、書類+面接型です。中欧(ハンガリー・チェコ)は A-Level の最終グレードでなく各校の入学試験(生物・化学+面接)で合否が決まる方式で、出題範囲が公開されているため対策しやすいのが特徴です。
| 大学 | A-Level 要件 | 認定(働けるか) | 合格率/倍率 | 学費(目安) |
|---|---|---|---|---|
| RCSI(アイルランド・ダブリン) | 非EU AAB(化学必須) | アイルランド医師会+WHO+ECFMG | 非公表(非EUはHPAT不要) | 約 €61k/年 |
| 中欧:ハンガリー(Semmelweis 等) | A-Level直接・各校の入学試験(生物・化学+面接)で合否 | EU全域可+WHO+日本国試(厚労省認定・実績多) | 英語医学部 全体 約25〜30% | 約 €22k/年 |
| 中欧:チェコ(Charles University) | 入学試験 330点満点・244点が合格ライン | EU全域可+WHO | 閾値型(点を取れば合格) | 約 €16k/年 |
※ 中欧は EU 全域で医師として働け、日本の医師国家試験の受験資格認定(厚労省)の実績も多い(ハンガリー国立4大は卒業生実績豊富)一方、マレーシアへ帰国して働くには MMC の資格試験(EPR)が必要になりがちです。「卒業後どこで働くか」で評価が変わります。
意外に知られていませんが、日本の医学部も A-Level で出願できる枠があります。特に 国際医療福祉大学の「外国人特別奨学生選抜」は学科の筆記がなく、小論文+面接(日本語/英語選択可)のため、英語が強く理科の筆記で失点しがちな海外育ちの子に向きます。順天堂は「国際バカロレア/ケンブリッジ選抜」で A-Level 生を直接受け入れます。いずれも卒業で日本の医師国家試験受験資格が得られます。
| 大学 | A-Level 要件 | 認定(働けるか) | 合格率/倍率 | 学費(目安) |
|---|---|---|---|---|
| 国際医療福祉大学 医学部(成田) | A-Level可(外国人特別奨学生選抜=学科筆記なし) | 日本の医師国家試験受験資格(1期生99.2%合格) | 留学生選抜 約20〜24%/奨学生・帰国枠は4〜14% | 6年 約1,850万円(特待で実質0円も) |
| 順天堂大学 医学部 | A-Level可(国際バカロレア/ケンブリッジ選抜・募集2名) | 日本の医師国家試験受験資格(私立医最安水準) | 国際枠合算で約7倍 | 6年 約2,080万円 |
| (参考)上智大学 国際教養学部 | A-Level 3科目で出願(医学部ではない) | —(日本に英語で学ぶ医学部学士課程は基本なし) | — | 年 約138万円 |
※ 共通する鍵は 一次の小論文・面接が日本語であること。学科を英語(EJU は英語受験可)で回避できても、日本語のアウトプット対策が合否を分けます。順天堂は「A-Level で 1 科目 A*+2 科目 A」なら二次(学科)が免除されます。
AIMST・USM・IMU・UCSI・Melaka Manipal・MAHSA(マレーシア)
生物B・化学B必須。学校評価C→Bを達成すれば直接入学が射程。Foundation不要。
RUMC・NUMed(マレーシア)/RCSI 本体は AAB
BBBより一段上=理科2科目をAへ。RUMC/NUMedは IELTS 6.5〜7.0 が前提。
中欧(ハンガリー/チェコ)/日本(国際医療福祉の小論文+面接・順天堂の二次免除 or EJU)
A-Level の最終グレードでなく各校の試験・小論文・面接で合否=対策しやすい。
英国トップ(Oxbridge/Imperial 等)・NUS 医
全A前後+UCAT等。学校評価C起点では非現実的=上の3層を主戦場に。
① 生物・化学を最優先で C → B。これが BBB 直接入学の生命線。数学は物理/数学枠で C 許容の余地があり相対的に余裕。A-Level の「B」は満点でなく素点 6 割前後で届きます。
② IELTS を 6.0 → 7.0 へ。6.0 でマレーシア私立、6.5 で RUMC、7.0(各 6.5)で NUMed と、英語の伸びがそのまま志望校の幅になります。
③ 日本志望なら日本語の小論文・面接対策。学科は英語(EJU)で回避できても、一次は日本語。早めの対策が効きます。
④ 本命+安全校を併願。少数枠・面接型は読みにくいので、現実層(マレーシア私立・RUMC)を軸に、日本・アイルランドを組み合わせます。
※ 本記事の要件・締切・合格率・認定は 2026 年 6 月時点の各大学公式・MMC・厚生労働省等の公開情報に基づく整理です。医学部の入試要件・認定は年度で改定され、合格率は非公表の学校も多くあります。出願前に必ず各大学公式の最新募集要項と、卒業後に医師として働きたい国の医事当局(マレーシア MMC・日本の厚生労働省・英 GMC 等)で最終確認してください。
A. 入れます。マレーシアの私立医(AIMST・IMU・UCSI 等)と国立 USM は A-Level の BBB(生物・化学+物理/数学)で、RUMC・NUMed は ABB で、いずれも Foundation 不要の直接入学ルートが用意されています。アイルランドの RCSI も非EU 枠で A-Level 直接入学(AAB)です。費用面で Foundation を避けたいご家庭の希望に最も合うのはこの「A-Level 直接入学・BBB〜ABB 帯」の学校群です。
A. 現実層なら十分狙えます。マレーシアの医事評議会(MMC)が定める最低基準は生物 B・化学 B が必須で、3 科目めの物理または数学のどちらか一方だけ C が許容されます。つまり「生物・化学を C → B に引き上げる」ことが合否の生命線で、ここを埋めれば BBB 校は射程に入ります。一方トップ校の AAA / A*AA は現実的ではないため、BBB〜ABB の学校と『入学試験で勝負する学校(中欧・日本)』を主戦場にするのが戦略です。
A. できます。国際医療福祉大学 医学部(成田)は GCE A-Level を出願資格として認め、特に『外国人特別奨学生選抜』は学科の筆記試験がなく小論文+面接(日本語/英語選択可)で選考するため、英語が強い海外育ちの子に向きます。順天堂大学 医学部も『国際バカロレア/ケンブリッジ・インターナショナル選抜』で A-Level 生を直接受け入れます。いずれも卒業すれば日本の医師国家試験の受験資格が得られます。ただし一次の小論文・面接が日本語のため、日本語のアウトプット対策が鍵になります。
A. 学校によります。アイルランドの非EU 出願(RCSI)・マレーシアの NUMed・IMU などは UCAT/BMAT 不要で、面接(MMI や構造化面接)中心の選考です。なお BMAT は 2024 年で廃止され、英国本国(UK 枠)の多くは UCAT に一本化されました。日本の選抜は UCAT 系を使わず、独自の小論文・学科(EJU/共通テスト)・面接で評価します。志望校ごとに要否が違うので、必ず各校の最新要項を確認してください。
A. マレーシアの私立医や USM は IELTS 6.0 で出願できる学校が多い一方、RUMC は 6.5(各 6.0 以上)、NUMed は 7.0(各 6.5 以上)が必須です。つまり『英語の伸び』が志望校の幅を直接広げます。現状 6.0 からまず各技能を底上げし、目標 7.0 を取れれば RUMC/NUMed まで射程に入ります。
A. 進学先の医学部の認定で決まります。MMC 認定校はマレーシアで、GMC 経路(NUMed 等)は英国方向で、日本の大学(国際医療福祉・順天堂)は日本の医師国家試験で医師になれます。重要な注意が 3 つ。①マレーシア MMC 認定は『日本の医師国家試験受験資格』を自動的に意味せず、日本で働くには厚生労働省の個別審査が必要です。②中欧(ハンガリー/チェコ)は EU 全域で医師になれ日本の受験資格認定の実績も多い一方、マレーシアへ帰国して働くには MMC の資格試験(EPR)が必要になりがちです。③カリブ海等の認定が不安定な学校は避けるべきです。『どこで医師として働きたいか』から逆算して認定を必ず確認してください。
お子様の現在のグレード・志望国(マレーシア / 日本 / アイルランド 等)・受験予定時期をヒアリングし、現実的な志望校リストと、生物・化学・数学の成績を要件まで引き上げる学習計画をご提案します。