| Paper | 内容 | 時間 | 配点 |
|---|---|---|---|
| Paper 1 | AS Level Multiple Choice(多肢選択)30問の多肢選択。AS範囲の内容のみが出題されます。AS Levelの33%、A Level全体の17%。 | 1時間 | 30点 |
| Paper 2 | AS Level Data Response and Essays(データレスポンス+エッセイ)Section A=データレスポンス1題(20点)、Section B=ミクロ中心のエッセイ2択から1題(20点)、Section C=マクロ中心のエッセイ2択から1題(20点)。ASのエッセイは2部構成です。AS Levelの67%、A Level全体の33%。 | 2時間 | 60点 |
| Paper 3 | A Level Multiple Choice(多肢選択)30問の多肢選択。A Level範囲が出題され、AS範囲の知識は前提として扱われます。A Level全体の17%。 | 1時間15分 | 30点 |
| Paper 4 | A Level Data Response and Essays(データレスポンス+エッセイ)Section A=データレスポンス1題(20点)、Section B=ミクロ中心・Section C=マクロ中心のエッセイを各2択から1題(各20点)。A2のエッセイは小問のない一本書きです。A Level全体の33%。 | 2時間 | 60点 |
Paper 1+Paper 2でAS Level、Paper 3+Paper 4を加えるとフルA Levelが完成します。Paper 3・4ではAS範囲の知識が前提になります。上記は2026-2028年シラバスに基づく構成です。※受験する年のシラバスで必ず確認してください。
A-Level 経済(Cambridge International AS & A Level Economics 9708)は、文系・経済金融志望の日本人生徒にとって定番中の定番といえる科目です。ミクロ経済学とマクロ経済学を理論とダイアグラムで本格的に学び、多肢選択・データレスポンス・エッセイという3つの形式で試されます。日本の高校の「政治・経済」と名前は似ていますが、中身は暗記科目ではなく、分析と評価で得点する「経済学」そのものです。公式の採点目標では知識・理解の配分の目安は35%にとどまり、分析40%・評価25%が残りを占めます。この記事では、現行シラバスのPaper構成、エッセイとデータレスポンスの攻略法、頻出テーマの地図、そして大学出願での価値までを日本語で整理します。
Paper 構成 — AS で 2 本、A Level 完成でさらに 2 本
9708は4つのPaperで構成され、Paper 1と2でAS Level、Paper 3と4を加えるとフルA Levelが完成します。受験ルートは3つあり、AS→A2と2年に分けて受ける方法、全Paperを同一回でまとめて受ける方法、ASのみで終える方法が選べます。注意したいのは、Paper 3・4が「AS範囲の知識を前提」とすることです。A2学年になってもAS内容は消えず、需要供給や弾力性は最後の試験まで現役の道具であり続けます。
- Paper 1: AS 多肢選択 30問・1時間・30点(AS Levelの33%)
- Paper 2: AS データレスポンス+エッセイ・2時間・60点(AS Levelの67%)
- Paper 3: A Level 多肢選択 30問・1時間15分・30点(A Level全体の17%)
- Paper 4: A Level データレスポンス+エッセイ・2時間・60点(A Level全体の33%)
- 記述系のPaper 2+4だけでA Level全体の66%=「書く力」が成績を決める科目です
日本の「政治・経済」との違い — 暗記科目ではなく、分析の科目
日本の高校の「政治・経済」は用語や制度の暗記が中心ですが、9708は大学の経済学入門に相当する内容を理論とダイアグラムで扱う科目です。公式の採点目標(Assessment Objectives)では、知識・理解(AO1)が35%、分析(AO2)が40%、評価(AO3)が25%という目安が示されています。つまり用語を覚えるだけでは3分の1程度しか届かず、残りの65%は「理論で因果を説明する力」と「議論の強弱を判断する力」で決まります。エッセイ系のPaper 2・4に限れば評価の比重はさらに高く、暗記型の勉強との相性の悪さが際立ちます。この設計を最初に理解しておくことが、9708対策の出発点です。
- AO1 知識・理解 35%/AO2 分析 40%/AO3 評価 25%(AS・A Level共通の公式の目安)
- 「定義を書ける」は出発点。「図で示し、因果を説明し、限界を評価する」までが1セット
- 需要供給曲線やAD-ASなどのダイアグラムは飾りではなく、採点対象の分析ツール
- 微分積分などの高度な数学は不要。ただしグラフの読み書き・割合・指数の計算は日常的に使います
エッセイの型 — 定義→図→説明→評価のディシプリン
9708のエッセイには守るべき型があります。問われた概念を正確に定義し(AO1)、関連するダイアグラムを描いて本文から参照し、理論の因果連鎖を段階的に説明し(AO2)、最後に前提条件や反対側の議論を検討して自分の結論を下す(AO3)——この流れがそのまま採点目標に対応しています。ASのPaper 2ではエッセイが2部構成で、典型的には前半が説明系・後半が評価系という誘導になっていますが、A2のPaper 4では小問のない20点一本書きになり、構成そのものを自分で設計する力が試されます。「よく書けた気がするのに点が伸びない」答案の大半は、評価(AO3)が感想レベルで止まっていることが原因です。
- 定義: 設問のキーワードを経済学の定義として正確に述べる
- 図: 関連ダイアグラムを描き、「図が示すように」と本文から明示的に参照する
- 説明: 「AだからB、BだからC」という因果の連鎖(chain of analysis)を段階的に書く
- 評価: 短期と長期・前提が崩れる場合・反対側の議論を検討し、根拠つきの結論を出す
- Paper 4のエッセイは小問なしの一本書き=段落設計をあらかじめ型として持っておく
Data Response 攻略 — 資料を「使った」答案だけが伸びる
Paper 2・4のSection Aは、実際の経済状況を題材にした文章・統計・グラフをもとに答えるデータレスポンス(20点)です。小問は定義や計算から始まり、説明、そして評価へと階段状に難しくなります。最大の落とし穴は、資料を無視して一般論だけで書いてしまうことです。設問は資料への言及を前提に作られており、数値の引用・トレンドの読み取り・資料の限界の指摘ができて初めて上位の得点帯に入ります。2時間で3セクションという時間配分も、過去問演習の段階から体に入れておきましょう。
- 数値・年次・国名など、資料の中の具体を答案に引用する
- 計算問題(割合・指数・弾力性)は式と単位を明示して途中経過を示す
- 「このデータだけから断定できるか」という資料の限界の指摘が評価点につながる
- 2時間で3セクション=1セクション約40分のペースを過去問で体得する
頻出テーマの地図 — AS の土台から A2 の発展へ
ASでは、希少性と機会費用に始まる基本的経済問題、需要供給と弾力性を中心とする価格メカニズム、税や補助金など政府のミクロ介入、AD-AS分析・経済成長・失業・物価をめぐるマクロ経済、財政・金融・供給側政策、そして貿易と為替・国際収支までを一巡します。A2では同じ骨格の上に、効用理論や無差別曲線、外部性と市場の失敗、費用・収入・利潤と市場構造、労働市場、貨幣と銀行、政策の相互関係、経済開発とグローバル化といった発展内容が積み上がります。AS内容がA2の前提になる螺旋構造なので、AS段階の理解の穴はA2でそのまま失点に変わります。
- AS ミクロ: 需要供給・弾力性・余剰・政府介入と所得分配
- AS マクロ: AD-AS分析・経済成長・失業・物価安定・財政/金融/供給側政策
- AS 国際: 貿易の利益・保護主義・国際収支・為替レート
- A2 ミクロ: 効用理論・市場の失敗と外部性・市場構造・企業行動・労働市場
- A2 マクロ・国際: 貨幣と銀行・政策の相互関係と有効性・経済開発・グローバル化
進路接続 — 経済・経営・金融系の出願で強い理由
経済は、文系志望のA-Level選択の中でも大学側の評価が安定して高い科目です。英国をはじめ海外の経済学部では数学(9709)との組み合わせが重視され、大学によっては数学が出願要件になることもあります。経営・会計・ファイナンス・政治・国際関係など、社会科学系の広い学部に直結するのも強みです。さらに、エッセイで鍛えた「理論と図で議論する力」と英語のアカデミックライティングは、日本の帰国生入試の小論文や面接でもそのまま武器になります。
- 経済学部志望なら数学9709との併願が事実上の前提(大学により要求されます)
- 経営・会計・金融・政治・国際関係など、社会科学系の幅広い出願で通用
- 成績はASのみならa〜e、フルA Level完成でA*〜E。A*はフルA Levelを完成させたときのみ
- 日本の帰国生入試でも「理論と図で筋道を立てて議論できる」ことが差になります
南数塾でできること — 経済 9708 とどう歩むか
- 科目選択の段階からご相談いただけます。経済と数学9709の組み合わせ方や文系志望の科目設計を、日本の帰国生入試と海外大学出願の両方を見据えてアドバイスします。
- 経済学部進学で問われる数学の土台は、数学9709の日英併記オリジナルテキストと実物過去問の重要過去問集、マークスキーム準拠の添削で固められます。
- 過去問から逆算する学習設計をサポートします。記述系Paperの比重(A Level全体の66%)を踏まえ、いつまでに何を書けるようになるべきかを一緒に計画します。
- 経済・経営・金融系の進路相談に対応します。9708をどう成績・出願書類に活かすか、志望地域ごとの戦略を個別にご案内します。
よくある質問
Q. 数学が苦手でも A-Level 経済は選べますか?
選べます。9708自体に微分積分などの高度な数学は不要で、必要なのはグラフの読み書きと割合・指数程度の計算です。ただし経済学部への進学を考える場合、大学側がA-Level数学(9709)を出願要件にしていることが多いため、科目選択は志望学部から逆算して決めるのが安全です。
Q. 日本の高校の「政治・経済」とはどう違いますか?
名前は似ていますが別物です。日本の政治経済が用語と制度の暗記中心なのに対し、9708は需要供給やAD-AS分析などの理論とダイアグラムを使って因果を説明し、政策の是非を評価する「経済学」です。公式の採点配分でも知識は35%にとどまり、分析40%・評価25%が残りを占めるため、暗記だけでは得点が頭打ちになります。
Q. エッセイはどう練習すればいいですか?
まず「定義→図→説明→評価」の型を過去問で体に入れることです。ASのPaper 2は2部構成の誘導がありますが、A2のPaper 4は小問なしの20点一本書きになるため、段落構成を自分で設計する練習が必要になります。書いた答案はマークスキームと照らして、評価(AO3)が結論まで届いているかを確認する習慣をつけましょう。
Q. AS だけ受けて終えることはできますか?
できます。受験ルートは3つあり、ASのみで修了する場合の成績はa〜eで付きます。フルA Levelを目指す場合は、AS→A2と2年に分けて受ける方法と全Paperを同一回で受ける方法があり、A*はフルA Levelを完成させたときにのみ付きます。どのルートでも、受験する年のシラバスと学校の方針を必ず確認してください。
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A-Level を、日本語で
最短距離の学びに変える
南数塾は 9709・9701・9700 の日英併記オリジナルテキストと実物過去問ベースの重要過去問集を持つ、マレーシア発のオンライン塾です。概念は日本語で最短理解、解答は英語の採点基準どおりに訓練——医学部・海外大学・日本の大学まで、進路設計ごと伴走します。
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